要約すると、
1)
芸術にはランクがあり、その最高のものが「ロマン的芸術であるところの詩」である。その順番は、建築<彫刻<ロマン的芸術(絵画<音楽<詩)である。
という風に、まず「芸術がレベルアップするものである」といういかにもヘーゲル的な前提がほとんど暴論であって凄すぎる(悪い意味で)。
2)
芸術には「地域性」があり、その最高のものはキリスト教的西洋芸術であって、次に西洋芸術、そして東洋芸術である。というのも、よほどに無理矢理な話で、ヘーゲルの哲学自体にはある程度の共感は持ち得ても、「美学論」にはまるで共感できない。しかもヘーゲルは「エマニュエル・カントの後継者であり、完成者」を自認しているけども、これではカントがかわいそうで、ヘーゲルはやっぱり、「話のうまいやつ」という気がする。
ヘーゲルが言うように西洋音楽が(音楽が、とは直接は言っていないけども、そう解釈できるはずなので)東洋音楽よりも優れているとすれば、あの有名な事実である「ラヴェル」がインドネシアのガムランの音楽の音階を聞いて感動し、それまでの西洋音楽の音階の限界(細かさという意味で)を突破しえたということが説明できなくなるし。ただ、なによりも意味不明なのは、「芸術がほとんど数学的にレベルアップする」という馬鹿げた発想だと思う。。。
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